ソンピョン(松餅)
ソンピョン
(
松餅
)
(
송편
)
「
ソンピョン
(
송편
)」は、うるち米の粉で生地を作り、あんを包んで半月の形にし、松の葉を敷いて蒸したお餅です。
秋夕(추석、チュソク、お盆)には欠かせないお餅で、ご先祖様に捧げ、みんなで食べる、おめでたい料理の1つです。
「
ソンピョン
をきれいに作れると、お嫁に行ってかわいい娘を産める」という話があり、秋夕の前、家の娘たちが競って
ソンピョン
を作るそうです。
また、
ソンピョン
を用いたことわざに、
「丼の
ソンピョン
が、鍋蓋の
ソンピョン
の味より劣る」
(푼주의 송편이 주발 뚜껑 송편 맛보다 못하다)
というものがあり、いくら豪華な食べ物を用意しても、真心がこもっていなければ、粗末でも真心こもった食べ物の味にかなわない、と言う意味で使われます。
大切なお料理を用意する秋夕の時にぴったりのことわざですね^^
このことわざの元になったお話があります。
昔、王様が狩りに出たところ、日が暮れて暗くなったのですが、どこからか本を読む声が聞こえてくるので、声の方に行ってみると、小さな家に灯りが燈され、若い夫婦の姿が見えました。
夫は本を読み、妻は針仕事をしていて、科挙の勉強しながら貧しい生活を送っているようでした。
すると、夫は本を閉じ、少しお腹が空いたと妻に言うと、妻は立って鍋の蓋に乗せた
ソンピョン
を2つ持ってきました。
夫は1つ
ソンピョン
を食べ、もう1つも口に運んだので、それを見ていた王様は「妻と分けずに自分だけ食べるとは、けしからん旦那だ」と思いました。
しかし、若い夫は
ソンピョン
を口に加えると、
ソンピョン
を妻の口に運び食べさせるのでした。
貧しいけれど、仲睦まじく暮らす若夫婦の姿に心を打たれた王様は、宮に戻り宮女に「
ソンピョン
が食べたい」と言いました。
宮女は、あわてて準備し、丼いっぱいに
ソンピョン
を積んでやって来ました。
それを見た王様は、前夜に見た心温まる思いが崩され、激怒して
ソンピョン
が積まれた丼をひっくり返してしまったというお話です。
なんとも、ロマンチックなお話ですよね^^
はたして日本に、口渡しで
ソンピョン
を食べさせてくれる旦那さんがいるでしょうか^^
鍋蓋に
ソンピョン
を2つ乗せてご主人に持っていて反応を見てみましょう♡
「
ソンピョン
」
材料
:
うるち米粉 800g、
かぼちゃ粉 大さじ1.5、
紫芋粉 大さじ2.5、
抹茶 大さじ1.5、
お湯、
松の葉 2握り、
ごま油 大さじ2、
グレープシードオイル 大さじ2
あん材料:
ごま 1/2カップ、
はちみつ 大さじ2、
砂糖 大さじ1、
塩 小さじ1
米粉は、800gをそれぞれ200gずつ、4つに分けます。
1つずつ、かぼちゃ粉 大さじ1.5杯、紫芋粉 大さじ2.5杯、抹茶 大さじ1.5杯を入れ、1つは白い
ソンピョン
を作りましょう^^
同じように、よもぎ粉、百年草粉、松花粉などを入れて作ることもできます。
写真は、白のソンピョンを作る米粉です。
生地を作っていきましょう!
ソンピョン
は、必ずお湯で生地を作るようにしましょう。
冷たい水でこねると、かたまりができ上手く生地ができません。
4つの米粉にそれぞれ大さじ10杯のお湯をふりかけ、手でこねましょう。
今回は、古米の粉を使ったのですが、新米の粉を使う場合には水分が含まれているので、お湯の量を減らしてくださいね。
お湯をふりかけ、米粉を両手でこすりながら、固まりを潰して練り込みます。
米粉の生地は、手で潰してこねればこねるほど、きれいな生地になりますよ^^
生地を作ったら、ラップに包んで30分ほど置きます。
生地が、より滑らかで、シコシコになりますよ^^
ソンピョン
のあんに使うゴマは、鉢で細かく潰すか、ミキサーで粉にしてください。
ゴマ粉1/2カップ、はちみつ 大さじ2杯、砂糖 大さじ1杯、塩 小さじ1杯をよく混ぜて
ソンピョン
のあんを作りましょう。
30分置いておいた
ソンピョン
の生地を手でこねながら、長細く伸ばし、栗くらいの大きさに切りましょう。
ころころ丸めましょう^^
平たく広げ、あんを包んで、もう一度丸めましょう。
丸めた
ソンピョン
の一方を指で少しつまみ、山を作り、両端を軽く伸ばして半月の形を作りましょう。
ソンピョンを半月の形に作る工程…
平たく広げた生地にあんを乗せる→丸める→一方をつまみ山を作る→両端をつまんで長細くする
見た目が良いお餅は、食べても美味しいですよね^^
それで、それぞれの色を使って花模様を作ってみました♡
手間は少しかかりますが、みんなからの称賛を思えば、これくらいは苦労でもないですね^^
蒸し器に綿布や麻布を敷き、松の葉をまんべんなく敷きましょう。
松の葉を敷いて蒸すのは、松の香りをつけ美味しくするためですが、
近年、松の葉から出る成分により殺菌効果があり、物もちを良くする作用があることも分かりました。
また、尖った松の葉で邪鬼を祓う、魔除けの意味もあったと言います。
ソンピョン
は、やはり松の葉がポイントですね^^
松の葉の上に、
ソンピョン
を、お互いくっ付かないように乗せ、蒸し器で約10分蒸します。
ソンピョン
の量によっても蒸す時間が変わってきます。
蒸しあがったか確認するためには、お箸で刺してみて、くっ付いてこなければ大丈夫です。
蒸しあがった
ソンピョン
です^^
松の葉の良い香りも♡
蒸した
ソンピョン
は、綿布に置いたまま持ち上げ、冷水に入れ十分すすぎましょう。
ソンピョン
は、冷水で漱ぐことで、よりシコシコになります。
そして、ごま油とグレープシードオイルを混ぜた油をまんべんなく塗りましょう。
きれいに並べれば、秋夕に欠かせない
ソンピョン
の完成です!!
ご先祖様に捧げる、おめでたいお料理の1つ、「
ソンピョン
」。
楽しいお話をしながら、皆さんでおいしく召し上がれ♡
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